酉の市は、新年の開運と商売繁盛を祈る秋の祭りです。
酉の市は11月に行われる歴史ある祭りです。鷲神社などを祀る年中行事として、大酉祭や「お酉様」とも呼ばれています。
この祭りは江戸時代に花又村の大鷲神社で、農民たちが収穫を祝い鶏を奉納したことから起源があります。
酉の市の有名な名物は縁起熊手で、新年の開運と商売繁盛を願う縁起物として親しまれています。
浅草や新宿、横浜などの活気ある場所で開催される酉の市は、にぎやかで楽しい祭りとして人々に愛されています。
酉の日とは?
「酉の日」とは、毎年振り返る十二支の中で、「酉」に相当する日のことです。これは、年月によって割り当てられ、12日おきに訪れます。
2023年には、11月に3回の酉の日があります。これらは11月1日、11月13日、そして11月25日にあたります。酉の日は、祭りのような「酉の市」が開催されます。
酉の日に欠かせない熊手とは?
酉の市の熊手は、福や金銀を招くために複数の縁起物が付けられた熊手のことです。
昔は農具として販売されていた熊手が、縁起物を飾って繁栄を招くものとなったと言われています。
毎年1回大きな熊手に買い換えることが好ましいとされております。
酉の市で手に入る熊手は、酉の寺や鷲神社から授与される「かっこめ熊手」と、妙見講の各店で販売される「縁起熊手」の2種類に分かれますが
このような熊手には、金太郎や鯛、扇、鶴、亀、銭、麻の葉、松竹梅、七福神などが飾られています。
酉の市の熊手の種類や値段はどのくらい?
「酉の市」の熊手は、サイズによって値段が異なります。小さな熊手は、500円から1,000円程度で販売されています。
また、値段はさまざまで、3,000円から5,000円程度の物から、大きなものであれば10万円から20万円程度まで存在します。
熊手の種類は、縁起によって異なります。例えば、「金太郎」は子孫繁栄を意味し、「鯛」は幸福を意味し、「扇」は繁盛を意味し、「鶴」は長寿を意味し、「亀」は健康を意味し、「銭」は金運を意味し、「麻の葉」は成長を意味し、「松竹梅」は吉祥を意味し、「七福神」は幸運を意味します。
熊手は、1年に1回、買い替えると良いとされています。古い熊手は「酉の市」に持参し、熊手納め所に納め、新しいものを購入するという習慣もあります。
酉の寺と鷲神社と妙見講とは何ですか?
「酉の寺」は浅草にある長國寺のことです。この本尊は「鷲妙見大菩薩」または「鷲大明神・おとりさま」とされ、開運招福の保護者とされています。また、酉の市の起源地とも呼ばれています。
「鷲神社」は浅草にある神社で、祭神は「鷲大明神」とされています。この神社は商売繁盛や家内の安全などを祈願するために利用されます。同様に、酉の市の起源地とも称されています。
「妙見講」は、酉の寺や鷲神社の境内にある露店を指します。この露店では、「縁起熊手」や「縁起物」などを販売しています。
酉の市の歴史
酉の市は、日本の歴史に根付いた年中行事であり、正月を迎える最初の祭りとして知られています。この祭りは、神道と仏教の両方から異なる解説がされています。
神道の解説によれば、酉の市は、日本武尊が東征の戦勝祈願を鷲宮神社で行い、祝勝を花畑で行ったという伝説から由来します。酉の市の起源地とされるのは、花畑にあった大鷲神社(現在の足立区)で、近隣の農民たちが秋の収穫を祝い、鷲大明神に鶏を奉納したことが始まりだと言われています。
一方、仏教の解説によれば、酉の市は、日蓮宗の日蓮上人が上総国鷲巣(現在の茂原市)にある小早川家(現在の大本山鷲山寺)で国家の平穏を祈ったところ、金星が輝き、鷲の背に乗った鷲妙見大菩薩が現れたという伝説から由来します。鷲妙見大菩薩は、開運招福の守り本尊とされ、その分身が浅草の酉の寺と鷲神社に祀られているようです。
江戸時代から続く酉の市では、酉の寺や鷲神社で農具として売られていた熊手が、福や金銀をかき集めるものに見立てられ、様々な縁起物が飾られるようになり
今では、妙見講の露店が酉の寺や鷲神社の境内に店を出すようになっています。
酉の市に訪れた外国人の感想
「外国人にとっても魅力的なものだと感じました。お祭り会場には、様々なデザインの熊手が並ぶ光景が魅力的」
「 酉の市は、日本のお祭りの中でも特に夜通しで盛り上がることが特徴ですが、これが外国人にとっては驚きやショックを受ける」
「熊手を買う際に店員と値切り交渉が習慣なのには驚きを感じた」
などと外国人には驚かれる面も多々あるようですが、やはり11月の観光としては人気のひとつのようです。